横手木綿の織物横手縞(よこてじま)の紹介

想いを紡ぐ

「運命の出会いなの」と笑うのは横手縞を制作している田畑晃子さん。

はじまり

東京で生まれ育ち結婚機に横手市に移住した田畑さんは、横手という地に魅了され、2011年からはNPO法人Yokotterの活動を中心に、様々なまちおこし活動に参加しています。
そんな中で出会ったのが「横手縞」だったとのこと。

田畑さんと横手縞との出会いは偶然。
まちおこし活動の一環で、横手のかまくらで子供達が来ている「どんぶく(綿入り半纏)」を使って横手をPR中に、ふと横手にまつわる布でどんぶくを作って、それを着ながら喋れば、良いPRになるのでは?と思いついたとのこと。

横手にまつわる布。これを色々調べ始めた時に、横手縞というワードを発見。
色々と調べた結果、秋田県立博物館に生地見本があることを突き止め、早速博物館へ。
そこでみた横手縞の生地見本に「一目惚れ」したという田畑さん。
現代でも通じる美しい縞模様からは、ただ美しいというだけではなく、横手の人の温かさやチャレンジ精神をも感じ取れたと言います。それは、田畑さんが移住して、大好きになった横手そのものに思えたと言います。

博物館の学芸員さんから「今ところ、横手で作られたという証明がないと横手縞とは認定できない」という事実を知り、ならばこの横手で復活させたい。私が織ろう!と直感的に決心。様々な人の協力を得ながら、その4日後には機織り機を購入するところまでたどり着いたとのこと。
「私、できる。って大いなる勘違いがスタートですね」と笑いながらおっしゃる田畑さんの行動力には脱帽です。

現在は秋田県立博物館に所蔵されている生地見本を参考に、横手縞を自らの手で再現した反物を織り、そこから様々な小物、アクセサリーなどにして、気軽に横手縞を身近に置いてもらえるような商品作りをされています。

横手縞とは

江戸時代、横手市周辺で多く生産されていた綿織物の総称が「横手木綿」。
縞模様が特徴の「横手縞」のほか、横手絞りと呼ばれる絞り染めの生地が北東北一帯に出荷され、人気を得ていたとの文献が残っています。
横手縞は黒を基調とした鮮やかな縞模様。黒に染めることは難しい技術で。その縞のセンスもあって人気が得たのではないでしょうか?
起源は佐竹の旧領常陸から最後に移住した一部下層武士の内職に由来するとされています。彼らは扶持のみでは、到底生活が成り立たないがゆえに、関東から身につけて持ちこんだ木綿製織の技術に活路を見出し、これを横手の酒造最上忠右衛門が一手に扱って売り出したのが横手木綿の始まりでした。

戦後になっても横手川周辺の裏通りに入ると、ハタ織りの音が聞こえ、前郷でも威勢よくハタ織りの工場音が響いていました。
横手には織物・染め物を業とする店が、川という条件に恵まれて多かったようですが、時代と共に減少。ハタ織り工場「伊勢谷紡績」が最後まで伝統の音をつむいでいましたが、昭和後期にはその音も聞かれなくなってしまいました。
音が途絶えてからまだ数十年ですが、「横手縞」のことは人々の記憶から忘れ去られていました。

体験

機織りの体験はできませんが、元々横手は多様な木綿文化の街。縞だけではなく、かすりや染め、横手川を中心とした一帯でハタ織りの音が聞こえていたことなど、横手の文化をご紹介しながら、横手の人の温かさまで伝える田畑さんのお話は、移住してきたからこそ気づく横手の魅力満載です。
現在は展示会でしか販売をしておらず、直接横手縞の商品を手にとって見れるチャンスでもあります。
お話は30分から1時間。お問い合わせいただければ会場などのご相談に応じています。

魅力

「多くの人に、この「横手」を体現している誇りある文化を知ってもらいたいから。手にとって、横手人の温かさを知ってもらいたいから。」と話す田畑さん。
皆様も是非、横手縞を手に取って、この地に根ざす人たちの気遣いや思いやり、温かさ、そして、遠い昔のこの地に想いを馳せていただけたら嬉しいです。
きっと、横手縞を通して、横手を好きになるきっかけになるのではないでしょうか?

基本情報
内容横手の伝統工芸である横手木綿の織物「横手縞」の説明と商品紹介を行います。横手市は江戸時代の初めから昭和の初めまで、綿織物の一大産地でした。その中で横手の風土や日々の生活の中で横手人が持ち合わせた美意識のなかで育まれ生み出したのが「横手縞」。現存する生地見本は現在20パターン以上。一つ一つ糸染めから始め、全て一人で手作業で丁寧に織り上げていきます。
住所013-0014
横手市上内町2-31
所要時間約60分から講座となります
定員20人~30人
1名当たりの体験料金1人200円
予約実施日の3日前
TEL090-4040-0474
HP https://www.facebook.com/yokote.jima.akita/