組子製作体験

木と伝統をつむぐ

「この技術は無くせないんだよ」と穏やかにおっしゃるのは株式会社小松木工の会長で、2015年の現代の名工に選ばれた小松俊悦さん。

※現代の名工(げんだいのめいこう)とは、卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称である。

はじまり

中学卒業後、15歳で建具屋に住み込みの修行にでたという小松さんだが、本格的に組子に取り組んだのはご自身が小松木工を創業してからのこと。
「組子細工はどうしても高価になってしまうので需要は少ない。だからそれだけでは食べていけないけれど、お客さんに喜んでもらいたい。どうすればよろこんでもらえるかを考えながら続けてきた」と話してくださいました。

組子細工とは

釘などを使うことなく、切り込みや「ほぞ」を入れた細い板を手作業で組合せて緻密な幾何学的紋様を編み出していく伝統技法のことをいいます。
わずか0.1㎜でもずれがあるとうまく組むことができません。
飛鳥時代から伝わるこの技法は、長い年月をかけて、現在はその組み方や技法が200通り以上も伝えられています。
昔から和室の欄間や障子などに用いられてきましたが、和室の減少とともに職人は減ってきました。しかし、最近になって羽田国際空港やホテルオークラなどの公共施設やホテルに使用されるなど、再度注目を浴びています。

小松さんはこの技術は一度失ってしまったら復活するのは大変。だからこそ多くの人に興味を持ってもらいたい。と体験の受け入れやイベントでの体験出展などへ積極的に参加されています。
また、小学校・中学校での体験教室も積極的に取り組んでいます。
小さな頃から知ってもらい、興味を持ってもらえれば、10年後、この技術を継ぎたいという子が出てくるかもしれない。と期待を寄せています。

体験

組子細工は制作に1ヶ月以上かかるものが多く、気が遠くなるようなこともあるとのこと。
その楽しみは「完成した時しかないよ」と笑いながらおっしゃっる小松さん。
もちろん、体験では30分から1時間で仕上がるものを準備して、体験した人が必ずその「完成した時の楽しさ」を味わえるように工夫していらっしゃいます。

現在準備している体験用キットはコースター2種とスマホ置き。

袋から小さく繊細な木材を取り出し、説明を聴きながら、木材と木材を組み合わせていきます。

コツコツ、根気がいる作業ですが、講師がサポートしながら進めるので安心してご参加いただけます。
そして、完成図を想像しながら、だんだん形が見えてくると、ちょっとドキドキしてきます。

この日の小学校での体験教室ではスマホ置きを作りました!

お父さんやお母さんにプレゼントできますね。

問い合わせいただければ、出張の体験教室なども対応可能です。

魅力

一つ一つ精密にカットされた木材の袋を開けるとほのかに木の香りが。
手に取るとその繊細さにびっくりしますが、小さな木材を一つ一つ組み合わせていくとだんだんと強度が出てきて、木の力強さとぬくもりを指先に感じることができます。
何よりも、木材をカチッと噛み合わせる職人技と、完成した時の喜びを存分に味わえる体験です。

あなたも現代の名工の技に一歩近づいてみませんか?

基本情報
内容釘を使わず木を組み付ける技法でコースターを作ります。日本の伝統技術である「組子細工」を身近に体験でき、木のぬくもりを感じながら仕上げていきます。
住所013-0306
横手市大雄字田村66-5
所要時間9時~16時
※約30分の製作体験コース
定員2人~10人
1名当たりの体験料金1人700円 ※団体料金の場合、製作キット700円×人数+講習料2,000円
予約実施日の2週間前
TEL0182-52-2149
HPhttp://komatumoko.co.jp/