十文字和紙を使った”バラの花”づくり体験
十文字和紙に魅了されて
「十文字和紙の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と話すのは「十文字和紙愛好会」の泉川祐子さん。十文字和紙に出会って約40年だという。
はじまり
横手市十文字町の小学校で教師として働いていた泉川さん。十文字和紙というものがあり、紙漉き職人が1人しかないことを聞き、知れば知るほど、和紙に夢中になっていったそうです。退職後には和紙を使った小物作りを始め、同じように和紙に魅了され秋田市で活動していた渡辺弘子さんとの出会いをきっかけに、5年前に「十文字和紙愛好会」を立ち上げました。愛好会のメンバーは15人ほど。和紙の材料集めや準備をしたり、地元の子どもたちに体験の場を提供したりと、幅広く活動しています。
自給で揃える横手産の原料
十文字和紙は、200年以上前から変わらぬ伝統的な手仕事によって作られています。和紙の原料になる楮(こうぞ)は自家で栽培し、ノリウツギは自生のものを採取しています。
「紙を漉く作業までが大変なの」と泉川さんは話します。和紙の原料となる楮とよばれる木はなるべくまっすぐ育つようにわき芽をつみ、毎年11月頃には刈りとり、枝払いをします。12月頃には「蒸(ふか)し」と呼ばれる作業が行われ、大きな釜を火にかけて楮を1時間以上かけて蒸します。蒸したてのまだ温かいうちに和紙の原料になる楮の皮を一気に剥ぎます。この剥ぐ作業は「皮剥ぎ」と呼ばれ手作業で行われ、2日かけて数百本の楮の「蒸(ふか)し」と「皮剥ぎ」を繰り返します。
その後、約1週間乾燥(天候による)させ、粗皮とりを行うなど、十数工程を行って、やっと和紙が完成します。
十文字和紙職人
明治時代は十文字和紙の最盛期で、紙漉きをする家は50軒にもおよび、雄物川の水運を利用して秋田市をはじめ他町村に売り出されてしまいましたが、現在では佐々木清男さん1人だけになってしまいました。平成6年からは、地元の中学生に紙漉き指導をしながら、和紙の卒業証書を作っています。また、平成19年に行われた「秋田わか杉国体」の表彰状にも使われました。
ハガキ作り体験(¥1,000~)
はがきサイズの木枠でゆっくりと紙漉きを行います。厚すぎず、薄すぎずの感覚がなかなか難しいです。丁寧に教えてもらいながら何とかクリアしました。
丁寧に教えてもらいながら、なんとか紙漉きが終了。和紙の上に自分好みの花をのせます。
ここからが、失敗しそうでドキドキします。木枠を外して、水分をタオルで吸収させます。そして、乾燥させるために、紙貼り板にペタッと貼り付けて、下敷きを外します(ここが1番緊張します!)
綺麗に出来ました!!
完成したハガキは記念に持ち帰ることができます。旅の思い出になりますね。
ハガキ作り体験のほか、出来上がった十文字和紙を使ってのバラの花づくり体験(¥1,000)もあります。
魅力
原料は全て横手産。200年守り続けられた技法で、手間暇かけて作られた和紙で作るハガキや小物雑貨は、和紙独自の柔らかさと横手の大地の力強さを感じることができます。
また、十文字和紙に魅せられ、今では和紙の糸を使った織物までも作られるという泉川さんの豊富な知識をわかりやすくお話しいただけて(さすが元先生!)、体験中飽きることなく楽しめます。
販売
イベント等でアクセサリーや帽子、その他小物などの販売も行っています。
十文字和紙で作った、小物雑貨を手に取ってみませんか。
内容 | ハガキ作り体験(¥1,000~)【所要時間1時間、場所は要相談】 はがきサイズ木枠で紙漉きを体験できます。 バラの花づくり体験(¥1,000~)【内容等は要相談】 横手市十文字地域の伝統工芸「十文字和紙」を使ったバラの花づくりが体験できます。十文字和紙を手もみで柔らかくし花びらや葉の形に切って組み立てていきます。長く楽しめる花ができます。 |
住所 | 019-0512 横手市十文字町越前136 |
所要時間 | 約60分の体験コース |
定員 | 1人~20人 |
1名当たりの体験料金 | 1人1000円〜 |
予約 | 実施日の5日前 (3人までであれば当日申込み可) |
TEL | 0182-44-3027 |
HP | - |